私たちのやり方は、その根底に
次世代の認知行動療法の一種で関係フレーム理論に基づいたやり方や、
ミルトン・エリクソンを源流とするブリーフセラピーをもとにしています。
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これまでの私の日記では、苦悩についてその正体を調べ、その対処法について述べてきました。
私たちの研究会で学ぶことは、
日常生活で苦痛に出くわし、それが苦悩になる前、なった後も
- 思考との分離やマインドフルネス、
- ラベル剥がし、アクセプタンスなど
さまざまなスキルですり抜けることができるでしょう。
これらは、私たちが思考や感情をコントロールしたり回避したりしてきたこととは全く違う種類のものです。
しかし、今や私たちはこれまでとは全く違う対処法を使って何をするのでしょうか?
これまでのセラピーは、いつもここまでのものでした。
「さあ、私はいろいろとスキルを身につけた。今、それが上手く使えるようになった。よし、これからも頑張るんだぞ」
こうやってセラピーが終了していたはずです。
私たちは、一体これらのスキルを何に使うのでしょう?
これまで苦悩のために私たちができなかったこと、歩みたくても歩めなかった人生、なりたくてもなれなかった自分のために使いたくはありませんか?
思考や感情に対する対処を学ぶだけなら、それは対症療法に陥りやすく、また、私たちが「回避」や「コントロール」の代わりに提唱している「マインドフルネス」や「アクセプタンス」そのものが、放っておくと「回避」や「コントロール」になりかねない危険があります。
だってそうでしょう?
嫌な思考や感情が出てくるたびに「マインドフルネス」や「アクセプタンス」を行っているとき、もっと大きな視点から見ると、それが「安全行動」、つまり、別種の回避やコントロールとも考えられる状況が発生します。
ここでみなさんに明らかにしましょう。
私たちの本当の目的というものが実はあるのです。
それは、
ライフ・ヴァリュー(これについては前の日記を読んでくださいね、)に沿った活き活きとした人生を送る
ことに尽きます。
な~んだ、すごいものではなく、ありふれたことではないか、と思う人も多いでしょう。
苦悩からすり抜けるだけで十分ではないか、と思う人もいるでしょう。
これまでのセラピーは、今ある症状や問題に対する対処が中心でした。
でも、よく考えてください。
それをうまくすり抜けるすべを学んだところで、私たちはどうやって生きたらいいのでしょうか。
思考や感情の働きやそれに対する対処法は、
私たちが「やりたくない」もの
に対する方法でした。
多くのセラピーはこのやりたくない方法をどうするか、それにエネルギーを注いできました。
しかし、私たちは違います。
私たちは、さらに
私たちが「やりたい」こと
に目を向けます。
いや、ここで学んだスキルを使って、いろんな苦悩を避けず生きてゆくんだ・・・
1週間前も恋愛が破綻するすごい経験をしたけれど、後悔と絶望の念で時間が止まることはなかった。
昨日も、友人からひどいことを言われたけれど、その言葉がかつてのようにこころをふかくえぐることはなかったし、それがあったとしても、その友人とは普通に話もできる。
何かあれば、それで対処するんだ・・・・
ん?
どこかで聞いたことがある台詞ですね。
そう・・・マインドフルネスやアクセプタンスなどが安全行動(コントロールや回避)になっている可能性があるのです。
そこで、単なる対症療法に終わらせないために、「ライフ・ヴァリュー」に向かって歩く、ということをします。
むしろ、いろんな思考や感情を「吸い込みながら」歩むようなものです。
これこそが、
もし、私たちにとって苦悩が戦うものでも、乗り越えるものでも、回避するものでもなくなるとき、たとえ苦悩があったとしても、私たちの人生を歩むことができる行動なのです。
もう一度思い出してください。
私たちが苦しいのは、苦悩があることではなく、苦悩があることによって本当に歩みたい人生を歩むことができないことではないですか?
マインドフルネスやアクセプタンスなどがこれまでの個人に対するセラピーであるとするなら、「ライフ・ヴァリュー」に向かって歩むというのは、私たちの人生に対するセラピーとなるのです。
ここが、他のセラピーとは大きく違うことなのです。
日常レベルでは、苦悩との関わり、そして人生全体を見るとライフ・ヴァリューに沿っているかどうか、ということが私たちV.d.s.の大きな仕組みでもあります。
私たちは、より活き活きと生きるためにはどうしたらいいのか、そのために最新の心理学にベースを置く研究会を開いています。
もし、興味を持たれたらぜひ参加してみてください。
新規会員を募集中です。
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